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imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 やりますねぇ! 【名前】野獣先輩@Babylon34真夏の夜の淫夢第四章「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」他 【性別】ホモ 【属性】混沌・悪 【戦闘力】B 【魔力】C 【解説】 『BABYLON STAGE 34 真夏の夜の淫夢』の第4章『昏睡レイプ! 野獣と化した先輩』に登場する人物。 野獣先輩という名前以外に「田所」「鈴木」「ステロイドハゲ」「うんこの擬人化」「バカ」「4章の眠らせてくるやつ」「美女と野獣に喧嘩売った男」「一生ネットの晒し者」等がある。 「異様に高い声」「ステロイドで出来た肉体」「角度によって変わる顔」「泥でコーティングしたような肌」を持っており、戦闘では迫真空手なるものを操る。 たった一度だけホモビに出ただけで(4回は出てる、ホモは嘘つき)晒し者にされた人生に嫌気が差し、聖杯を手に入れたら「全ての世界から野獣先輩の記憶を消す」という願いを叶える為に聖杯戦争に参加する。
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登場サーヴァント(名も無き聖杯戦争(田舎聖杯)企画) 大月源 ロームルス スベエディ 竜吉公主 ジョン・ジョージ・ヘイグ アバドン 祢々切丸 ※赤字はwiki上にデータが存在しないサーヴァント
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■サーヴァント 使い魔。 行動判定には1D20を使用 戦闘は行動値消費にて行う -ステータス 筋力、耐久、俊敏、魔力、幸運からなるサーヴァントの能力値 ランクによって各ステータスを使用した判定の出目に固定値を付与する 付与値一覧は以下 A +2 B +1 C 0 D -1 E -2 EX +1d3 筋力 主にパワーを使用した行動判定や与ダメ算出の際に使用 耐久 これに依存してHPが決定する 初期HPは以下 A 22 B 20 C 18 D 17 E 16 EX 16+2d4 俊敏 これに依存して初期行動値が決定する 夜間の移動判定、並びに逃走判定にも使用 初期行動値は以下 A 17 B 15 C 13 D 11 E 10 EX 10+2d4 魔力 主に魔力を使用した行動判定と魔力対抗の際に使用 幸運 主に回避行動で使用 スキルと宝具 スキル/宝具に割り振れるコストは一律して10点とする。 合計10点に収まるように宝具/スキルのランクを割り振ること。 宝具ランク コスト 効果例 Aランク 5 1d10+3のダメージ、またはそれに相当する効果 Bランク 4 1d6+3のダメージ、またはそれに相当する効果 Cランク 3 1d4+3ダメージ、またはそれに相当する効果 Dランク以下 1 1d4のダメージ、またはそれに相当する効果 EXランク 4 1d6のダメージ、対象が女性である時に限り+1d10のダメージ スキルランク コスト 効果例 Aランク 3 攻撃判定の出目に+2、またはそれに相当する効果 Bランク 2 攻撃判定の出目に+1、またはそれに相当する効果 Cランク 1 1d6で3以上の目が出たとき、攻撃判定の出目に+1 Dランク以下 0 フレーバー EXランク 3 攻撃判定の出目に+1d3等 ※スキル、宝具に関しては必ずKPと相談の上決定のこと ※特殊な宝具に関しては上記数値に見合う形で決定のこと クラス別ステータス セイバー 基礎ステータス 筋力A 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運D HP20 行動値15 スキル 対魔力(対魔力判定の出目に+x) 騎乗(戦闘時 移動+x) 自由スキル1 アーチャー 基礎ステータス 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運E HP18 行動値13 スキル 対魔力(対魔力判定の出目に+1) 単独行動(マスターと別の場所で行動可能) 自由スキル1 【戦闘時 隣のエリアの敵にも攻撃可能】 ランサー 基礎ステータス 筋力B 耐久C 敏捷A 魔力D 幸運E HP18 行動値17 スキル 対魔力(対魔力判定の出目に+1) 自由スキル2 ライダー 基礎ステータス 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運E HP17 行動値15 スキル 騎乗(戦闘時 移動+1) 対魔力(対魔力判定の出目に+1) 自由スキル1 【宝具を取得する際、必要コスト-1】 キャスター 基礎ステータス 筋力E 耐久E 敏捷C 魔力A 幸運B HP16 行動値13 スキル 道具作成(アイテム作成に判定を要さない) 陣地作成(T1-拠点における魔力行使に出目+2) 自由スキル1 【自らの拠点を陣地として使用】 バーサーカー 基礎ステータス 筋力C 耐久D 敏捷D 魔力E 幸運E HP17 行動値11 スキル 狂化(好きなステのランクを1つ+2、1つ+1) 自由スキル2 【狂化は重ねがけも可。その場合マスターの令呪を1画、開始時に消費する】 アサシン 基礎ステータス 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運B HP15 行動値15 スキル 気配遮断(エンカウントが相手に通達されない) 自由スキル2 【エンカウント処理が起こらない】 ルーラー(KPのみ使用) 基礎ステータス 筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運B HP25 行動値15 スキル 真名看破 真名裁決(聖杯戦争に参加する全サーヴァントに使用可能な令呪を各サーヴァントごとに二画保有) 自由スキル1 監督役。 NG行動に触れたものを裁定するのが役目。 英霊によってNG行動は変わる。 願望 最低一つ、サーヴァント自身が抱く強い願望を設定する。 ルーラーを除いて、聖杯戦争に召喚されるすべてのサーヴァントは、叶えるべき願望を持っている。
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427 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/29(日) 03 43 49 「おーいえみやー、私の部屋はどこだ部屋はー」 たっぷり三杯もおかわりした蒔が言った。 「蒔、君はもう少し慎みを覚えた方が良いだろう」 「いーじゃん、どーせ衛宮なんだぞー? あのお人好し超人だぞー」 「あー、桜、これ頼めるかな?」 鍋を掻き回している衛宮氏が間桐嬢を呼んだ。 「なんですか? これ」 「余ったスコッチエッグを醤油と砂糖で煮るんだよ、まっとうな料理じゃないけど、明日には味が染み込んで良い味になってるはずだ」 似た料理なら知っている。 余ったトンカツを同じように調理する物だったな。 確か蒔の大好物で、一切れで一杯いけると言っていたな。 「なるほど、分かりました」 間桐嬢から殺気が消えて笑顔になる、頼まれると信頼されていると感じられる、嬉しいのだろう。 鼻歌交じりに鍋の中の様子を確かめている。 「ああ、藤ねえ、丁度良かった、風呂湧かしておいてくれるか? 俺は布団敷いてくるから」 「ん、分かったー、すぐ?」 「すぐがいいかな? 夕食も食べたことだし、ああ、それとついでに浴衣も人数分用意しておいてくれると助かる」 「分かったー、そんじゃついでに軽くお風呂場を掃除しとくねー」 「ん、頼むー」 「三人とも、部屋はどこが良いとか希望はあるか? 一応洋室も和室もあるぞ、洋間はあと一つしかないけど」 そんな言葉と共に、タオルで手を拭きながら茶の間に姿を見せた。 「んじゃ私は洋間に一人が良い! マンション的に!」 この家は屋敷だが、薪の家は旧家だ、洋室に憧れているのだろうな。 「私は静かな部屋を頼みたい、騒がしくなければどこでも良いぞ、男性と相部屋でもな」 この家に夜這いをするような危険な男性はおるまい、家主殿はいうに及ばず、カール氏も六道氏も紳士であることは疑いないと思える。 「えーっと、私は、どうしようかな」 「あの、良ければ私達と一緒の部屋にしませんか?」 「なのはちゃん? 良いの?」 「はい、出来ればお話とかしたいです!」 「うん、それじゃそうしましょう」 年下に好かれる性格である由紀香はなのは嬢、フェイト嬢と一緒の部屋で寝るようだ。 由紀香のほんわかした雰囲気を褒めるべきかあの剣呑な状況下でそれを見抜いた二人の眼力を評価するべきか迷うところだ。 「ふむ……良い部屋だな」 通された和室は広さや雰囲気など、私の好みの部屋であった。 「まあ、俺の隣の部屋なんだけどな」 良いながら、手慣れた手つきで布団を敷いている。 「ああ、別に構うまい、君は騒いだり突如泊まりに来た隣の部屋の女性に夜這いをするような男では無かろう?」 「んなっ……当たり前だろ」 おお、赤くなる赤くなる。 時折床を共にするような恋人が居るであろうにこの性格は希少なものだな。 「シロウ、私ならいつでも夜這いしてきていいよー?」 いつのまにか背後にイリヤ嬢が立っていた。 そして襖の向こうに赤い服が見えている。 ……遠坂嬢も堂々と出てくれば面白いのだが。 「イ、イリヤ、女の子が冗談でもそう言うことを言う物じゃないぞ」 「え? 私は本気だよー? えいっ!」 そう言って思い切り飛びかかるイリヤ嬢。 「そうだ、シロウ、一緒にお風呂に入ろ! それとも私をたべるー?」 なんというか、猛禽類が補食対象を捕らえるときのような動きだった。 ……これは私が寝る布団なのだがこのまま床を共にする気なのか、イリヤ嬢は。 そして襖の向こうでも音がした。 ははは、イリヤ嬢は本気のようだ、さあ、間桐嬢はキッチンだが再び修羅場を観察しよう。 ネクスト修羅場:「し、士郎ー! なに押し倒されて鼻の下伸ばしてんのー!」遠坂嬢がとうとう踏み込んできた 天国のような地獄:「ううー、ひどいめにあった……」 夜は更けて:時刻は晩から夜へと変わろうとしている
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611 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/09/15(金) 02 41 15 S市杜王町 教会近郊 「こいつぁーグレートっすねぇ」 制服の高校生が一人ごちる。 道路は抉れ、薬莢が多数落ちている。 血は撒き散らされ、多数の剣が地面、壁に問わず突き刺さっていた。 「とりあえずここでの戦闘は終わったって事でいいんすかね?」 ——そうだな、終わったと見て良いだろう……とりあえず薬莢と剣を一つずつ拾っておけ 独り言に応える声があった。 「どーすんだよそりゃ?」 ——友好的な相手がいれば協力関係になった時調べて貰えるかも知れんだろう、もしかしたら弱点を突けるかもしれん 「そりゃーいいんスけどね? 協力関係ったって会う奴会う奴攻撃しまくってくるじゃないすか」 ——当然、やる気満々の奴だって居るだろうな、というか協力的な連中に会える確率は低いだろう 「先週の"ライダー"はまあよかったけどよぉー、今週は"セイバー"、"アーチャー"って二日連続だぜ? 俺がモタねぇーっスよ」 ——確かに毎晩は子供には少々きついかもな 「おりゃ毎日ガッコーだってあるんスよ? 確かに来週から春休みだけどなぁー」 ——君の場合は補習だろう? ベンキョーしたまえ、ベンキョーを 「あーったく、オッサンはいいよな、英語勉強しなくて良いんだからなー」 彼、東方仗助の補習内容は英語である。 ——私も文法上の間違いはないように勉強位はしたさ、新聞記者だったこともあるしな 「へーへー、わーかったよ、じゃー明日位は見回りは良いっしょ? 今週末はテストだしよぉー」 ——ああ、それは良いが、構えろ、仗助、敵か味方かわからんが、サーヴァント連れが来たぞ 暗さに溶け込むような色彩の着衣をした、赤い大男が、仗助に向けて歩いてくる。 「……ふむ、これはどういう解釈をすれば良いと思うね? ランサー」 ——戦いの後を調べる学生、と言うことは無さそうですが 「まあそうだな、残留魔力も真新しい、落ちている血液も乾いてはいるが……臭いが残っている」 ——勝利はしたが傷だらけで動けなかったサーヴァントという辺りが妥当かと 「そうか、ならばトドメを刺しておくべきか、やるぞ、ランサー」 ——了解した、我が主 「おいおい、姿出しやがったぜオッサン」 ——ま、やる気と言うことだろう……槍を持っているからランサーか 「今日位はいい加減にしてほしーぜ、こんなことに巻き込まれて留年とかしたらオフクロに殺されちまうぜ?」 ——英語を勉強したまえ、時代は違うが、多少は教えてやれるだろう 「ありがとよ、オッサン」 ——いい加減、私の役職 クラス 位は覚えて欲しいね 「わーかったよ、行くぜ、保安官 シュリフ のオッサン」 学生服の仗助の背後から現れたのは、黒いスーツを着込んだ、ダービーハットを被るステッキの男だった。 「ったく、相変わらずジーン・バリー並の渋い恰好だぜ」 「学生程度の年齢ながらマスターとは珍しい、確認するが君はこの戦いに身を投じたマスターって事でいいね?」 赤い着衣の男が言った。 「違うって言ったら見逃してくれるって様子じゃなさそうだが? そこの所は、どうかね?」 「私は君に聞いてはいない、できれば直接君が答えて欲しいな、学生君?」 「正直に言や投じたかーなかったね」 頭を掻く。 「でもよー、街を守りてーって気持ちはあるぜ、こんな風に誰だかしらねー連中に街を荒らされたかーねーってな」 「フム、いわゆる正義の味方って奴かね、だが現実では往々にして無惨に死ぬのが正義の味方だ」 「ま、そーだったとしてもよ、例外もあるってゆーやつよ」 睨み合う。 「では、それを見せて貰おうか」 男が指を鳴らす。 同時にランサーが二人に向け跳躍する。 東:「ドラァッ!」クレイジー・Dでランサーと戦う 方:ランサーはシュリフに任せて敵マスターに殴りかかる 仗:二人がかりでランサーを攻撃する 助:拾っておいた剣を敵マスターに投げつける
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衛宮切嗣&アーチャー ◆F3/75Tw8mw 僕はね……正義の味方になりたかったんだ ◇◆◇◆◇ 「……一体、何が起きている……?」 人気の無い、他者からの監視も恐らくは無いであろう薄暗い建物の中。 壁に背を預け、その男―――衛宮切嗣は、口からタバコの煙を燻らせつつそう呟いた。 事の発端は、時間にして十数分程前。 妻のアイリスフィールと共に、アハト翁が用意したという聖遺物を確認していた最中であった。 全ては来る第四次聖杯戦争に勝ち残る為……アインツベルンは持てる権力・財力の全てを賭し、その聖遺物を探し出したという。 そうして見つけ出されたのが、かのノアの方舟に使われたとされる欠片―――即ちゴフェルの木片だ。 もしこの木片が本物だというならば、宿る神秘性は計り知れないものがある。 呼び出される英霊もまた、極めて強き力を持ったサーヴァントとなるだろう。 そう、アハト翁をはじめとするアインツベルンの者達は喜んでいた。 まるで自身の勝利が絶対のものだと確信したかの如くだ。 しかし、その気持ちも無理はない……事実、切嗣もこの聖遺物を用いれば強力な駒を手に入れられるという予感があったからだ。 彼はこの聖杯戦争を勝ち残るに当たり、己に最も見合うサーヴァントはキャスターかアサシンであると考えていた。 そして……この聖遺物で呼び出されるであろうサーヴァントは、十中八九キャスターだ。 他のマスターが纏わる聖遺物を入手でもしていない限り、呼び出される英霊はほぼ確実に方舟を作った本人―――ノアに固定される。 ノアについては様々な伝承が現代に至るまで残されているが、その伝承から基づくに当てはまるクラスはキャスターしか存在しないのだ。 然程アインツベルンの者達に期待をしていなかった切嗣からしてみれば、これは嬉しい誤算であった。 確実な勝利を目指すアインツベルンならば、三騎士……中でも最優とされるセイバーの触媒を用意するだろうと踏んでいたからだ。 ―――戦場は地獄であり、そこで行われる命のやり取りには高潔さも何も無い。 数多くの修羅場を、文字通りの地獄を潜り抜けて来た切嗣にとって、英雄というものは許容し難い存在そのものであった。 平和の為と称して人を殺し、血を流す。 そんな者達の何処に美化される要素があるというのか、讃えられる謂れがあるというのか。 ましてやそれを『騎士道』として振りかざし、『誇り』として平然と言い放つ者達など、切嗣からすれば度し難い者達であった。 だからこそ、騎士道などとは無縁の存在たるキャスターを引く事がほぼ確定したのは朗報と言えたのだ。 無論、ノアにもその騎士道に通じる様な伝承もあるにはあるが、泥酔して裸を晒した際に、その裸体を偶然見かけてしまったハムの息子に呪いをかけるといった悪の側面もまたある。 何より……キャスターは最大限に活用すれば、自身の戦法を最大に活かせる。 聖杯戦争の勝率を大きく高められるという事実が、何よりも大きかった。 そう……アインツベルンの肩を持つつもりなどは一切無いが、切嗣は勝たねばならなかったのだから。 人の身では一生叶えられる事の無い、奇跡に頼らなければ叶えられない願いを、叶えるために。 『正義の味方』として流し続けてきた血を、奪ってきた多くの命を無駄にしない為には…… 世界の恒久的な平和という願いを叶えるには、聖杯を手にする以外に手は無いのだ。 そんな強い願いを胸に、彼は託された木片を手に取った。 それが……本来の聖杯戦争とは大きくかけ離れた流れの中に彼の身を置くとも、知らずに。 ◇◆◇◆◇ (……本来の聖杯戦争とは違う。 何か、アインツベルンですらも予想しえなかった事態が起きているという事か……) 木片を手にした結果、切嗣はこの異質な場―――聖杯戦争の会場へと呼び出される羽目になった。 本来開かれる筈であった聖杯戦争とは、何もかもが違いすぎる。 予期しえなかった―――恐らくはアインツベルンですらも分からなかったであろう―――完全なイレギュラーだ。 (しかし……どのような形にせよこれが聖杯戦争である事自体には間違いない。 そして勝ち上がった者には、奇跡を叶える聖杯が与えられる……この大前提に変化は無いだろう) だがこの事態を前にして、当初は困惑を覚えこそしたものの、あくまで冷静に切嗣は頭を働かせていた。 まず何より疑う余地が無いのは、これが聖杯戦争だという事実だ。 そして勝ち上がれば、目的の聖杯を手に入れられる。 (なら……問題は無い) ならば最初から、選ぶ道は決まっている。 この聖杯戦争に、当初の予定通り勝ち残るまでだ。 (無論、このイレギュラーが何なのか考える事を放棄するつもりはない。 その結果によっては、立ち回り方を変える必要性も出てくるだろうが……基本的な点に変更は無しだ) 勿論、この聖杯戦争の異質さを放置できるほど切嗣も楽観的ではない。 勝ちあがり聖杯を手にするというスタンスを変えるつもりは一切無いが、この異変の正体だけは突き止める必要がある。 その結果によっては、勝つ為に取るべき行動を変える必要性もあるだろうからだ。 (……予定していた舞弥によるサポートも無ければ、下調べして集めた情報も意味を成さない。 使える装備もそこまでなく、状況は決して良いとはいえないが……) それでも、成さねばならないのだ。 『正義の味方』として世界に平和を齎す為には、この戦いには絶対勝たねばならないのだ。 『……アーチャー、引き続きそのまま監視を続けろ』 その為には、効率よくサーヴァントを扱う必要がある。 切嗣は念話を使い、簡潔に指示を出した。 もう一機のそれを持つ、己がサーヴァント―――目覚めた時には傍らに居た、あの英霊に。 褐色の肌に赤い外套を身に纏う、アーチャーと自らを名乗った男に。 ◇◆◇◆◇ うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ。 ああ―――安心した。 ◇◆◇◆◇ 「……爺さん……」 切嗣が身を隠す建物の屋上。 その一番高い地点で、見張りの指示を受けていたアーチャー―――エミヤシロウは、人知れずそう言葉を漏らした。 彼にとって、この様な召還はあまりにも予想外すぎた。 まず、自身の記憶にある聖杯戦争の知識とは……何より自身が経験してきた聖杯戦争とは、まるで状況が違う。 もっともそれについては、基本的な情報をかつての召還同様に聖杯から与えられているのだからまだいい。 しかし、最大の問題は……自身のマスターが、養父である衛宮切嗣その人であった事だ。 磨耗した記憶の中にあっても、決して忘れる事は無かった。 彼は、自身が正義の味方を目指す切欠になった憧れともいえる大切な存在であり……呪われた運命を進む元凶ともいえる存在だった。 そんな彼が、まさか自分を召還し……そして聖杯戦争に勝ちあがろうとしていようとは。 『正義の味方』と呼ぶに相応しい願いを胸に、聖杯を望んでいようとは……こんな事をどうして予想できようか。 (……爺さん、俺は……正義の味方にはなれなかったよ) アーチャーは、エミヤシロウは生前、正義の味方を目指した。 より多くの命を救う為に修練を続け、その死後にも守護者となるべく世界と契約を結んだ。 英霊としての力があれば、多数を救う為に少数を斬り捨てるやり方を選ばず、誰もが幸福な世界を実現できると信じていたからだ。 しかし、その結果に待ち受けていたのは、どうしようもない絶望であった。 守護者とは、彼が望んだ様な正義の味方ではなく、ただ人類の滅亡を回避する為だけに、起因する全ての者達を殺しつくすための存在だった。 信じ続けた理想を裏切られ、拒絶する事も許されない。 そんな役割を演じ続けた末に、彼の心はその信念ごと磨耗し、やがてかつての己自身を憎み、己自身の消滅を願うようになっていった。 そして……そんな虐殺を続けている最中、遂にアーチャーはその機会を得るチャンスを手にしたのだ。 即ち、聖杯戦争への参加である。 (……どうすればいいんだ) しかし、召還を受けたアーチャーの心に去来したのは、喜びではなく戸惑いと驚愕であった。 何せ目の前にいたのは、己が正義の味方を目指す発端となった養父なのだ。 その顔を目にして、思わず言葉を失った程だ。 しかも話を聞くに、彼は自身が知る衛宮切嗣とは違う。 第四次聖杯戦争に参加する筈だったという、全盛期の衛宮切嗣なのだ。 つまり……ここで彼を殺害できたならば、時間の流れは変わるかもしれない。 衛宮士郎が誕生する発端がいなくなる事で、自身もまた消滅するかもしれない。 だが……アーチャーには、それが出来なかった。 守護者となった時点で、元の人物とは別物の高位の存在として己は英霊の座に記録されてしまっている。 ならばここで切嗣を殺したところで、自身が消滅できる可能性が限りなく低いだろう。 ましてや、彼はアーチャーにとっては既に死亡した筈の人物だ。 それが生きていると言う事は、この場にいる彼は自身が知る衛宮切嗣とはまた別の存在―――平行世界の彼なのかもしれない。 だとすると、殺害しても何も変わらないのかもしれない。 そして、なによりも……自身を育て上げてくれた養父への思いもまた少なからずある。 (……聖杯を手に入れる……だが、本当に聖杯に願いを託してよいものなのか……) ならば、残された道は一つ……聖杯を手にするしかない。 聖杯を手にし、自身の完全な消滅を願う事だけしかないのだが……アーチャーは、かつての聖杯が如何なる物であったのかを知っている。 万能の願望器は、歪んだ形でしか人の願いを叶えられない邪悪な代物だった……だからこそ、『彼女』に破壊を願ったのだ。 もし、この戦いで得られる聖杯もまた同じ性質を持っていようものならば、願いを叶えることはかなわないだろう。 しかし……この聖杯戦争は、かつてとは大きく違う。 ナニモノにも染められていない、純粋な願望器たる聖杯を手に出来る可能性もまたあるのだ。 ならば、ここはどう立ち振る舞うべきか。 (……見極めるしかあるまい。 この聖杯戦争を戦い、その最中で聖杯がいかなる存在なのか……私自身の目で) アーチャーが出した結論は、この聖杯戦争を戦う中で、聖杯の正体を見極めるというものだった。 戦いを進めていけば、聖杯へは自然と近づく事になる。 その中で、聖杯が正しいものなのか否かを確かめ、その上でどうするかを決めなければならない。 今の時点では判断できる材料も殆ど無い……それが恐らくは最良だろう。 (もし、この聖杯にも穢れがあったならば……その時は……) 今度は、己自身の手で聖杯を破壊せねばならない。 その様な聖杯は、誰の手にも渡すべきものではない。 まして……かつての自身と同じ理想を抱く衛宮切嗣にだけは、尚の事だ。 彼を、己のようにする訳にはいかない。 正義の味方に絶望し、憎悪し、自らの破滅をも望む様な思いを……大切な父にだけは、させたくない。 (例えそれが、マスターの意に反するものだったとしても……) 磨耗した記憶の中においても……衛宮切嗣という男は、エミヤシロウにとって特別な存在なのだから。 ◇◆◇◆◇ (アーチャー……奴は一体、何を考えている) 愛銃の手入れをしつつ、切嗣はアーチャーについて考えを巡らせていた。 彼は己が目覚めた時、自身のサーヴァントとして宛がわれたというのだが……その存在には、大きく疑問があった。 何せ、その正体があまりにも不明瞭すぎる事だ。 切嗣は彼がサーヴァントであると認識すると同時に、何はともあれその真名・宝具を問いただした。 戦う上に当たって、まずは基本的な戦力の把握を行うべきと判断したが為のものであったのだが…… この問いに対する答えが、切嗣に大きな疑問を抱かせた。 (『強引な召還の為に記憶が一部欠如しており、真名を思い出せない』……か) アーチャーは、自身の真名を忘却していると口にしたのだ。 その原因は、本人曰く召還の不備不手際という事らしいのだが……切嗣はこれを鵜呑みにはしなかった。 出会って間もない相手の言葉を信用するなど、そんな危険且つ無防備な真似など出来るわけもない。 そしてもう一点……真名のみならず、その宝具に関しても大きな疑問が彼にはあった。 曰く、アーチャーは自身を象徴するような宝具は持ち合わせてはいない。 その代わりとして、投影魔術を駆使して戦闘を行うというのだ……これは、英霊としても極めて異端だ。 もし、真名を思い出せないのではなく隠しているのならば、恐らくは……いや、ほぼ確実にこの点に繋がってくるだろう。 (例え味方であろうとも、情報を安易に他者に与えないという点では評価できるが…… 不安要素を抱えている駒を扱い戦い抜くというのは、戦略上相当に厄介だ。 やはり、早急に事実を確かめるべきか……) 己が手に宿る三画の令呪を見つめ、切嗣は思案した。 アーチャーが隠している真実を引き出すのは簡単だ……この令呪を使えば良い。 隠し事を洗いざらい全て話せとでも命令すれば、それで問題には片がつくが…… (いや……まだ早い。 少なくとも今はまだ、奴は僕をマスターとして認め共に戦う姿勢を見せている。 それに、僕自身もこの聖杯戦争の異質さは感じている……本当に記憶を失っている可能性もゼロではない。 なら、戦略上有効な切り札である令呪を捨てるのはあまり得策でもない) しかし、切嗣は令呪を使いはしなかった。 もし本当にアーチャーの記憶に欠落があるならば、ここで令呪を使うのは無駄にしかならない。 戦略上、令呪は貴重な切り札となりえる武器だ……出来る限り、使用するタイミングは計りたい。 アーチャーの存在が己にとって害になると判断できた時こそが、この令呪を使う時となるだろう。 (逆に言えば、アーチャーが僕にとって害にならない限り、奴の異質さは大きな武器にもなる。 投影魔術を扱い戦うという能力は、幅広い戦術を望める……そういう意味では、僕にとっては相性がいいサーヴァントだ) そして、アーチャーの異端さは敵に向ければそのまま武器に出来る。 弓兵のクラスにありながらも近接戦闘もこなせ、ランクが本来のモノに比べれば落ちるとはいえ、投影魔術を扱い様々な武具を生み出せる能力。 扱い方次第では極めて応用が利く戦い方が出来、その真名を看破される事もまずありえない。 駒としてみるならば、このアーチャーは切嗣にとって中々に悪くないサーヴァントだったのだ。 (……それに、奴にも叶えたい願いがある。 こちらを裏切る可能性も勿論考慮に入れるが、序盤のうちから本性を現す可能性は低いだろう) 何より、アーチャーには己と同じく聖杯へ託す願望がある。 それを考慮すれば、例え裏切るにしてもそれは戦いが山場を迎えてからだ。 この序盤では、互いに敵の数が減るまで利用しあうのが得策であるというのは、分かっているだろう。 それに……彼の願いは、恐らくかなり切実なものだ。 (『存在を消したいものがいる』……か) アーチャーが自身に話した願い。 それは、聖杯に願いこの世から存在そのものを抹消したい者がいるというものだった。 死後も他者を呪い恨み続ける英霊というのは、数ある伝承の中では然程珍しいものじゃないが…… 私怨による願いというのは、なまじ綺麗事を言われるよりも信用できる。 故に切嗣は、彼のその願いは恐らく真実であるだろうと判断していたのだ。 まさかその消滅を願う存在が……自分自身の遺言で生み出されてしまった、後の正義の味方だとも知らずに。 (……僕はこの聖杯戦争を、人類最後の流血にする。 必ず……聖杯を手に入れてみせる) 衛宮切嗣と、アーチャー/エミヤシロウ。 本来ならば出会う筈がなかった、同じ理想を追い求めた二人の男達。 彼らのこの出会いは、果たして互いの心に何を齎すのか…… 【クラス】 アーチャー 【真名】 エミヤシロウ@Fate/Stay Night 【属性】 中立・中庸 【ステータス】 筋力:D 耐久:C 敏捷:C 魔力:C 幸運:E- 宝具:?? 【クラススキル】 ◎対魔力:D 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 ◎単独行動:B マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。 現界可能な時間は二日程度。 【保有スキル】 ◎心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 ◎千里眼:C 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。 ◎魔術 C 基礎的な魔術を一通り習得している。 特にアーチャーは道具の本質を一時的に増幅する「強化」、物質の構造を把握し、一時的に複製する「投影」と得意とする。 【宝具】 『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』 ランク:E~A++ 種別:??? レンジ:??? 最大補足:??? 錬鉄の固有結界。 本来は魔術であり宝具ではないが、アーチャーの象徴ということで宝具扱いになっている。 心象風景は、燃えさかる炎と、無数の剣が大地に突き立つ一面の荒野が広がり、空には回転する巨大な歯車が存在する。 結界内には、あらゆる「剣を形成する要素」が満たされており、目視した刀剣を結界内に登録し複製、荒野に突き立つ無数の剣の一振りとして貯蔵する。 ただし、複製品の能力は本来のものよりランクが一つ落ちる。 刀剣に宿る「使い手の経験・記憶」ごと解析・複製しているため、初見の武器を複製してもオリジナルの英霊ほどではないがある程度扱いこなせる。 神造兵装の複製は不可能。 守護者として世界と契約しているため、固有結界にかかる負荷は非常に少ない。 【weapon】 投影魔術を用いて投影した武器を扱い戦う。 『干将・莫耶』 アーチャーがメインの武器として扱うことが多い陰陽二振りの短剣。 互いに引き寄せ合う性質を持っており、二つ揃いで装備すると、対魔力、対物理が上昇する。 宝具としてのランクは高くないが、投影の負担が軽いことと、先の特質から愛用している。 【人物背景】 とある未来の世界で、死すべき百人を救うために世界と契約した衛宮士郎その人である。 全てを救うという理想を追い求め続け、限界にぶつかった彼は、「英霊になれば、きっと全てを救えるはず」と世界と契約を交わし、その百人を救った。 だが、理想を追い続けたその生涯は最後まで報われることなく、自分が助けた相手からの裏切りによって命を落とす。 それでもなお、誰一人恨むことはなかったが、その後に待ち受けていたのは自身が信じる正義の味方などではなく、「霊長の守護者」という残酷な現実であった。 死後、彼に与えられた役割は霊長の守護者として、ただただ人類滅亡を防ぐために、拒絶不可能な虐殺に身を投じることだった。 さらにその過程で人の暗黒面をまざまざと見せ付けられ、その結果信念は磨耗し、かつての理想に絶望することとなり、己自身の消滅を願うようになる。 【サーヴァントとしての願い】 憎むべきかつての己自身を殺すことで、自身の消滅を願っている。 【基本戦術、方針、運用法】 基本的にはマスターと共に聖杯戦争を勝ち抜けるつもりで、その戦術については切嗣の指示に従う。 また、その最中で聖杯の正体について見極めようと考えている。 その上で、自身の記憶にある様に聖杯が汚染された代物であった場合は、例えマスターの意に背いてでも破壊する。 また、全てに絶望した自分の様な思いを切嗣にはさせたくないとも考えている。 切嗣には自身の宝具や願いなどは伝えているが、真名については「召喚のショックで記憶に欠落がある」と誤魔化し伝えていない。 【マスター】 衛宮切嗣@Fate/Zero 【参加方法】 アハト翁が手配した聖遺物がゴフェルの木片であり、それを手にしたが為に聖杯戦争に参加した。 【マスターとしての願い】 世界の恒久的な平和。 【weapon】 『キャリコM950』 切嗣が主に扱うことが多い小型自動小銃。 コンパクトさに加え、50連ヘリカルマガジンを使用することで取り回しの良さと実用性を兼ねた銃。 『トンプソン・コンテンダー』 魔術礼装として独自の改造を施した、中折れ式単発銃。 大口径ライフル弾である30-06スプリングフィールド弾を使用するため、防弾チョッキ等では防げない程の破壊力を秘めている。 ただし単発銃である為に、一回発射する毎にリロードが必要である事が欠点。 また威力に比例して、その反動も当然ながら大きいものになっている。 『起源弾』 切嗣の肋骨の一本に魔術加工を施して作りだした弾丸。 彼の起源たる「切断」と「結合」の二重属性を発現させ、被弾した相手に不可逆の変質をもたらす魔弾。 これが魔術師が発動中の魔術に命中した時、その魔術回路を「切」って「嗣」ぐことで構造を変え、流れている魔力を暴走させて自滅させる。 また上記のコンテンダーを用いて扱われるため、魔術が関係なくとも命中した相手に大ダメージ自体を与えられる威力がある。 全部で66発の弾丸が作られ、その内の37発をこれまで魔術師の殺害に使用している。 【能力・技能】 魔術師としての腕前は並程度だが、一般的な魔術師が忌避している銃火器及び爆発物の扱いに長けている。 戦闘の際には、魔術師の裏を書く戦術や手段を多く用いる。 『固有時制御』 衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用したもの。 本来儀式が煩雑で大掛かりである魔術であるのだが、「固有結界の体内展開を時間操作に応用し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。 問言は「time alter 〇〇 accel(加速)またはstagnate(停滞)」。〇〇には倍率を示す単語が入る。 なお、固有時制御を解除した後に世界からの「修正力」が働くため、反動によって身体に相当の負担がかかる。 そのため、通常は2倍速程度が限界であり、それ以上を用いると肉体が大幅に損傷を受けてしまう。 【人物背景】 「魔術師殺し」の異名を持つ、魔術師を殺す術に長けた異端の魔術使い。 魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。 戦闘に赴く場合は、幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから挑む。 戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。 目的を達することでより多くの命を救えるならば、自分に近しい人間や愛する者ですらも利用し切り捨てる冷酷な行動原理の持ち主。 ただしそれは彼自身の悲しい過去に由来したものであり、むしろ普通の人間よりもずっと繊細な心をもっているが、あくまで自分の意志で非情な思考と行動を貫こうとしている。 「流血こそは悪」「戦場は地獄」という考えを持っており、英雄という存在そのものを忌避している。 これは自身がかつて「正義の味方」に憧れ、絶望したが故の反動とも言えるもので、自身のやり方でも闘争が終わらないことは理解している。 しかし、それまでに流してきた血や失われた命を無価値にしたくないという一心から、止まることができずに深みにはまり続けていた。 それ故に人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を求め、アインツベルンの誘いに乗り聖杯戦争に参加することを決める。 BACK NEXT 007 ジョンス・リー@エアマスター、アーチャー 投下順 009 アレクサンド・アンデルセン&ランサー 007 ジョンス・リー@エアマスター、アーチャー 時系列順 009 アレクサンド・アンデルセン&ランサー BACK 登場キャラ NEXT 参戦 衛宮切嗣&アーチャー(エミヤシロウ) 034 既視の剣
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ゴムと反射と悪党と◆dM45bKjPN2 「学校、かぁ・・・」 ゴゾゴソ、とポケットを探るとそこには学生証がきっちりと収まっていた。 裏を見ればこの殺し合いの場での自分の住所と、表には通っている学校が記載してあった。 学校の名をアッシュフォード学園───知らない名前だ。 この殺し合いの中でも学生は学園に通えと。 学生の本分を果たせと、天戯弥勒は言いたいのだろうか。 ふるり、とその小さな肩が震える。 どこにマスターがいるかわからない。 もしかしたら学園の中で狙われるかもしれない。 そうなったら、相手を、どうすれば───と、その時。 思考がマイナスに傾きかけた時、傍らのライダーが声をかける。 「いはならへふにいかなひゃいいひゃねぇか(嫌なら別に行かなきゃいいじゃねぇか)」 「・・・あの、食べ終えてから言って貰ってもいいですか?」 「ぼべん、ぼーばな(ごめん、そーだな)」 「・・・」 ずぞぞぞぞ、と残りの弁当を吸い上げて口に含むライダー。 ぷくりと膨らんだその頬は、例えるならばリスのようだった。 まず彼らがスタートしたのは、森の中だった。 当たりを見回せば木、木、木───とりあえず森を出ようとした結果、森を抜けた先にあったのは24時間営業の、頼れる味方コンビニエンスストアだった。 腹が減っては戦は出来ぬ。 ライダーも腹ごしらえがしたいと言うので、とりあえず早めの朝ご飯にと鹿目まどかはそのコンビニエンスストアに立ち寄ったのだ。 購入したのは、まどかのコンビニ弁当一つとお茶のペットボトル一本と───ライダーの弁当六つ。 学生には痛い出費だったが、これでもライダーに我慢して貰ったぐらいなのだ。 とりあえず弁当を山ほど抱えてレジに持っていこうとしたライダーを、まどかは慌てて阻止したのだ。 そんなに買われては金が幾らあっても足りない。 殺し合いよりも先に食費をどうにかしなければいけないのかもしれない、と少し思ったほどだ。 何とか六個で我慢してもらい(ここに彼女の並々ならぬ努力と説得の物語があったことは彼女の名誉のために明記しておく)、今それを一緒に食している途中なのだが、まどかが半分も食べ終わらない内にライダーは全て食べ終えてしまった。 「はー・・・嫌なら別に行かなきゃいいじゃねぇか」 「でも学校にマスターがいたら、疑われるし───」 「んじゃそのがっこう、ってのに行ってサーヴァントをブッ飛ばせばいい!そんで仲間にしよう!」 にしし、と笑うライダーの顔には、一点の曇りすらない。 本気で倒した後に仲間にすればいいと思っているのだ。 荒唐無稽だ。 出来るはずがない。 マスターとサーヴァントも、ここには願いがある人間が呼ばれているのだから。 ───でも。 ライダーのその言葉は、何故かとても頼もしさがあり。 まどかは心の何処かで『もしかしたらこのライダーならばやってのけるかもしれない』と、考え始めていた。 「じゃあ、ちょっと行ってみようかな・・・学校」 「おう!」 空を見上げる。 まだ星が瞬き、お月様が空で輝いている、そんな時間。 学校まではまだ時間がある。 ならちょっと、このライダーと辺りの散策でもすると、面白いかもしれない─── ○○○ ○○○ 「ハァッ、ァア、ハァッ───」 彼の聖杯戦争が始まった地点───間桐邸にて、彼は荒い息で胸を抑えていた。 魔術回路の代用品として働いている体内の蟲は、現在は大人しくなっている。 比較的身体も落ち着いた状態。 しかし、これも長くは続かない。 もとより身体は長くは持たないのだ。 マスターを見つけ次第、早々に消さなければ───長期戦になればなるほど、間桐雁夜の聖杯は遠のくのだ。 選ぶ戦法はただ一つ。 見敵必殺。 Search & Deathtroy。 発見次第、障害は全て叩き潰す。 バーサーカーは現在霊体化させている。 魔力消費を抑えるためだ。 こちらは無駄に使える魔力はない。 (とりあえず、マスターを探そう) みすぼらしく白く染まった頭髪と、引きつった顔面をフードで隠し、彼は立ち上がる。 ガタン、と椅子が揺れる。 まず、何処からマスターを探すかと窓から外を覗いた瞬間───彼の目に入ったのは。 平凡で気弱そうな少女と。 あの威圧感、そして霊体化しているバーサーカーが反応していることから───サーヴァントであろう、麦わら帽子が特徴的な胸に傷を持つ男。 ───ああ、ちょうどいい。 此方から探さずとも、餌が向こうから歩いてきてくれたのだ。 暴虐の限りを尽くして、あのサーヴァントを消す。 「■■、■■■」 その唸り声は、果たして何を意味するものなのだろうか。 実体化したバーサーカーから漏れるその言葉は、誰にも理解できない。 「行くぞ」 軽く声をかける。 戦闘の始まり。 それを理解したのか、バーサーカーの口が三日月のようにニヤリと歪む。 ああ、殺そう。 相手がマスターなら、サーヴァントなら容赦はしない。 徹底的に捩じ伏せ、引き千切り、地面に刻む愉快なアートになるまで叩きつけよう。 目の前のサーヴァント潰し、そのマスターの願いを踏み躙り、ありとあらゆる残虐な行為を行い、その命を生贄に───求める『光』を守り通そう。 そう、それが彼等。 ───『悪党』という、存在なのだから。 「殺せ───バーサーカー」 「■■■■■■■■■■■■───!!!」 ○○○ ○○○ 「んでまどか、学校って何だ」 「え、知らないんですか?」 「ああ、知らねぇ」 ライダーの問いに、さてどう説明したらいいものか、とまどかは頭を捻る。 ライダーが知らないのも無理はない。 ライダーが生きた時代と、今ここの時代では世界の構造そのものが違うのだ。 「えっと、大きい建物で、そこで皆で勉強したりするんです」 「勉強ォ?」 「例えば国語とか、数学とか社会とか理科とか・・・」 「???」 「んーと、理科なら、何て説明すればいいのかな、植物の中とか動物の細胞とか勉強するんです」 「ああ、つまり不思議動物ってことか」 本当に理解したのだろうか。 ある程度歩いていると、住宅地なのだろうか、ぽつぽつと家屋が発見できた。 何の変哲のない、一般的な家屋ばかりだったが、その中で一つだけ。 悪い意味で一際目立つ、大きな屋敷があった。 数世代が楽に暮らせそうなほどの大きさの西洋風の館。 きちんと手入れされていれば、女の子なら一度は住みたいと夢見るであろう屋敷。 しかし実際は窓は割れ、カーテンは千切れ、中からは明かりすらついている気配はない───例えるならば、お化け屋敷のような風景だった。 まどかの背筋にゾクリとした感覚が駆け巡る。 嫌な予感がしたからなのか、それともその雰囲気に恐怖したのか───それはわからないが、近寄って得はしなさそうだった。 「ライダーさん、ちょっとあっちの方に行きま「おじゃまします」えー・・・」 とりあえずここから離れよう、と提案しようとしたまどかよりも先にライダーは、屋敷のドアを開いていた。 速い。そして不用心。何より失礼。 「え、ちょっと、ライダーさん知らない人の家なのに・・・!?」 「バカだなまどか、これはどう見ても不思議家じゃねえか。だったら冒険するのが普通だろうが!」 「訳がわからないよ・・・」 謎の理論と謎の迫力に気圧され、何処かで聞いたような言葉を漏らしてしまう。 ライダーのこの自由奔放さは生前から受け継がれているもの───彼と旅を共にした仲間も、彼の自由さには困らせられたのだ。 それはこの場においても、変わりはなかった。 この場が聖杯戦争でも、相手がマスターだったとしても───彼は変わらない。 この世で一番自由なヤツが海賊王。 その持論は、今でも変わらない。 「もしかしたらなんかブルックみてぇなのもいるかもしれねぇしな」 にししと笑う彼の笑顔に釣られて、まどかも笑顔が零れるが───それとこれは別、人様の家に乗り込む前に止めなければいけない。 手をちょいちょい、と招き猫のように動かし、ライダーに告げる。 「ライダーさん、でもそっちは人の家だか、ら───?」 その時、見えた。 いや、見えてしまった。 快活に笑うライダーのその背後。 何かが、見えた。 最初は赤い二つの点だった。 何かのライトだろうか、と思っていた。 ───しかし、それが勘違いだと気づいた瞬間には、もう遅かった。 次に見えたのは、白熱し、白濁し、白狂したその姿。 白い頭髪。白い肌。細い身体。紅い瞳。 そしてその白い腕がゆっくりと振り上げられ─── 「───ライダーさん、後ろッ!!」 「へ?」 「■■■■■■!!」 ドゴン!と。 まるでダンプカーが追突したかのような、人体が発するべきではない轟音をあげながら、ライダーはその身体を弾丸のように吹き飛ばされた。 吹き飛ばされたライダーの体は、そのままの勢いを保ちつつ───屋敷の正面の民家へと突っ込んでいく。 ガラガラ、と音を立てながら、ライダーが突っ込んだ民家が崩落する。 ───それがほんの、数秒の出来事だった。 「ライ、ダー、さん・・・?」 恐る恐る、ライダーが吹き飛ばされた民家へと声をかける。 返事は、ない。 「ライダー、さん・・・? ライダーさん、ライダーさん!ライダーさんッ!!」 幾ら呼びかけても、幾ら叫んでも返事はない。 まさか───死んでしまったのか。 こんな、簡単に。 こんな、呆気なく。 「■■■、■■■」 ニヤリ、とその顔面を愉快に歪ませながら、ライダーを吹き飛ばしたサーヴァント───バーサーカーは、まどかにゆらりと近づく。 ゆらり、ゆらり、と。 まるで、夢遊病者のように。 悲痛に叫ぶ少女を見て、楽しんでいるかのように。 「ぁ、いや、こないで・・・」 近寄るバーサーカーに気づいたのか。 まどかはじりじりと、後ずさりする。 そして、すとん、と。 恐怖でその場に腰が抜けて、座り込む。 そんなまどかをお構いなしに、バーサーカーはその腕をゆっくりとまどかに近づける。 バーサーカーの腕は触れただけで人を殺す。 血流を、生体電気を逆転させるのだ。 それだけで───人は簡単に死ぬ。 それを可能とする腕が、今、まどかの体に触れようと─── 「■■■■■■、■■■───!!」 「───何やってんだお前ェッ!!」 ───怒号。 その声量に、バーサーカーが腕を止める。 「ゴムゴムの、”回転弾”ッ!!」 次に飛来したのは、回転力とゴムの性質を利用した反動の威力を秘めた、必殺の拳。 しかし、バーサーカーには当たらない。 軽く地面を足で叩いただけで───バーサーカーの身体は、遥か後方に跳ねて行ったのだ。 ライダーの拳は虚しく空を切る。 倒壊した家屋の中から現れたライダーはパンパン、と己の体を叩きながら、言う。 「ライダー、さん・・・?」 「おう、大丈夫か?」 「え、あ、はい」 「ちょっと下がってろ。───あいつ、ぶっ飛ばしてくる」 未だ状況の把握が出来ていないまどかを置いて、ライダーはその莫大な脚力を使って、バーサーカーの元に飛び掛かる。 ポツリ、と残されたまどかは、たらだ呆然とするのみだった。 「ゴムゴムのォォォ、”スタンプ”!」 飛び掛かったライダーから放たれるは、神速の蹴撃。 並の存在ならば、一撃で意識を刈り取るであろうその蹴撃。 ───しかし。 バーサーカーには、通じない。 「■■■■───!!」 「うおっ!?」 その蹴りが、バーサーカーに触れた瞬間。 蹴りの威力がそのまま、ライダーの脚部に返ってきたのだ。 常人ならば、その時点でその脚部は砕け、自立歩行すら不可能になるが───しかし、ライダーはゴム人間なのだ。 打撃の類いが、効くはずもない。 「と、”槍”ッ!」 足裏を合わせ、刺突。 あらゆる物を貫くそれは、バーサーカーにはやはり届かない。 しかし、それだけでは終わらない。 反射されたその勢いを利用し、跳躍。 そして。 「なら───ゴムゴムの”銃乱打”!!」 一撃が返されるならば、数でカバーしてやろう、と。 拳の数が増えたのではないかと錯覚するほどの拳の連打をバーサーカーに放つ。 「■■■■!!」 しかし、それも通らない。 バーサーカーに触れた瞬間、全ての『力』は反射されてしまうのだ。 そして。 バーサーカーも、黙って攻撃を受けてくれるほど優しい存在ではない。 少し大袈裟に、腕を振るう。 そうしただけで───巻き起こるのは、全てを切り刻む鎌鼬の旋風。 ライダーの打撃の無効化を理解し、斬撃に移行。 「危ねぇっ!」 すんでのところで回避する。 そのままの勢いでゴロゴロと転がるライダー。 回避だけでは終わらない。 更に連撃を叩き込もうと、体制を立て直す。 そして。 バーサーカーも、ただ突っ立っているだけではない。 「■■■■■■───!!」 「うわやべ、きたっ!」 バーサーカーが行ったのは、突進。 何の力をどう変換したのかは不明だが───その体が、弾丸のような速度でライダーに迫る。 体制を立て直したばかりのライダーでは避けられない。 いくら打撃が効かないとはいえ、限度はあるのだ。 規格外の質量で押し潰されれば、ゴム人間と言えどひとたまりもない。 それを、バーサーカーは理解していた。 いや、理解というより『計算』と言った方が正しいかもしれない。 スキル───『絶対能力』。 狂気に堕ちて尚その頭脳は、レベル5としての威厳を保っているのだ。 能力行使に必要なあらゆる演算を可能にし。 己が選択できる戦法から相手を殺せる方法を選び抜き。 その方法を、確実に、叩き込む。 クソッタレな世界と戦い続けた彼の能力は───狂気に染まって尚、未だに猛威を振るい続けるのだ。 ググ、と握ったその拳に、あらゆる力のベクトルが収束される。 一点集中。 この一撃にて、ライダーを貫く───! 「にしし、きたきたッ!」 しかし。侮ることなかれ。 優れているのはバーサーカーだけではない。 それと対峙するライダーも───万夫不当の豪傑、海賊の英雄なのだ。 簡単にやられるほど、柔な存在ではない。 「ゴムゴムの───”網”!」 バーサーカーの視界に浮かび上がる、それは。 異様なほどにまで伸びた、ライダーの交差した指。 丁寧に網目にしてあるその指のその隙間にバーサーカーは飛び込む。 一撃に込めた必殺の威力も───当たらなければ意味がない。 バーサーカーのその拳は、ライダーには届かない。 ベクトルが集中したその拳には触れず、ライダーの網はバーサーカーを優しく絡め取る。 力をそのまま跳ね返されるのならば、優しく掴めばいいのだ。 勿論、そのような簡単な戦術で打ち破れるほど、バーサーカーの能力はチャチなものではない。 この網が鉄製や鋼製のものだったなら、即座に引き千切っていただろう。 しかし、彼を絡め取ったその網は───ゴムなのだ。 ある程度の衝撃───ライダーが優しく掴んだ力を返された程度の衝撃ならば、吸収してしまう。 そして。 その絡め取ったことにより生まれた一瞬の隙を、ライダーは見逃しはしない。 「大漁大漁っ!殴って効かないなら、このまま投げてやるっ!」 ギュルギュルギュルッ!と。 その場で猛回転し、体を巻いたのだ。 「ゴムゴムのォォォォォッ!!」 そして。 次に起こったのは───ゴムの性質を生かした反動、遠心力。 伸びたゴムは、元の形に戻ろうとするのだ。 回転した数だけ倍増していくその威力は、最大にまで溜められ───その力を、解放した。 「”ボーガン”ッッ!!」 大地が、揺れた。 地面に叩きつけられたバーサーカーの衝撃が、地面を伝わりそれでも尚打ち消し切れずに大地を揺らしたのだ。 「にっしっし、どーだ!今のは痛ェだろ」 スタリ、と地面に着地し笑顔で語りかけるライダー。 並の英霊ならば、この時点で既に立てない筈のダメージを負っているはずなのだ。 ライダーもそれを理解している。 理解しているからこそ───目の前で立ち上がったその存在を、理解できなかった。 「■■■───」 ゆらり、と立ち上がったバーサーカー。 その体に傷は無いどころか───埃一つ、ついてはいなかった。 「なんだアイツ・・・こっちの攻撃全部跳ね返されちまう」 「■■■、■■■」 バーサーカーは答えない。 答える理性など、最初から存在していないのだ。 ただ此方を見定め、あらゆる演算能力を利用し、殺害方法を導き出すのみ。 「・・・そうだ。跳ね返されちまうなら───」 そのバーサーカーの様子を見たライダーは、すうっと勢い良く息を吸い込む。 そうだ。 攻撃をして跳ね返されるならば───その逆をすればいい。 「ゴムゴムのぉ・・・”たこ”」 だらーん、と。 その場で全身の力を抜いた。 攻撃をして跳ね返されるのならば───しなければいいのだ。 「・・・”たこ”」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・ダメだ、これ俺も攻撃できねぇ」 「今更・・・?」 逃げる訳にもいかず、観戦していたまどかからささやかなツッコミが入ったところで、ライダーの四肢に力が戻る。 それと、タイミングは同時だった。 「■■■■、■■■───」 すううぅぅ───と。 バーサーカーのその姿が、消えたのだ。 霊体化───つまり、逃げられたのだ。 「あれ?アイツどこ行った」 「なんか、逃げちゃったみたい・・・」 「えー!俺まだアイツぶっ飛ばしてねぇぞ!」 「そんなこと言われても・・・」 悔しいのか、不機嫌そうな顔で叫ぶライダー。 それも当たり前だろう。 億を超える賞金首として数々の海を冒険し、磨いたその技術で一切ダメージを与えられなかったのだ。 宝具を使用していないとは言え、勝てなかったことに変わりはない。 「よし、まどか。俺決めたぞ」 「決めたって、何を・・・?」 「次あったら、あの真っ白バリアは俺がぶっ飛ばす」 パシン、と拳を握る。 ああ、そうだ。 やられっ放しは───性に合わないのだ。 ○○○ ○○○ ───間桐雁夜は、『聖杯戦争』を学んだ。 この本来とは異なる場所での聖杯戦争において、それは最大の利点だった。 経験、というものがあるのは何よりも有利。 聖杯戦争を一度経験した雁夜は、バーサーカーとライダーの戦闘を観察し、撤退を選んだのである。 何故か。 何故か───それは、明らかに相性の悪いサーヴァントだということが、魔術師としては並以下の雁夜でもわかったからだ。 あのサーヴァントは、打撃に関する攻撃が一切通じていなかったのだ。 そして、攻撃が跳ね返されたことによるダメージも受けてはいなかった。 最初はライダーの攻撃を一切受けつけないバーサーカーの戦力に歓喜したが───それがむしろマイナスに働いていると気づいたのは、魔力の消費により活性化した体内の刻印虫が己の肉を食い始めた時だった。 バーサーカーの反射は、ライダーには通じない。 ライダーの攻撃は、バーサーカーに通じない。 バーサーカーの打撃攻撃は、ライダーには通じない。 しかし、バーサーカーには風を操作した切断攻撃や他にも色々な戦術がある。 その中なら、あの何故か打撃の効かないライダーにも通じる技もあるだろう。 しかし───打撃攻撃という攻撃手段の一つが封じられた以上、長期戦は避けられない。 長期戦になったら不利なのは、此方なのだ。 だから、撤退を選んだ。 しかし、無策に撤退した訳ではない。 (そうだ───バーサーカーと相性が悪いなら、他のヤツらにあのライダーを殺させればいい) 苦手なヤツなら別に相手をする必要はないのだ。 他のサーヴァントにでも殺させておけばいい。 ライダーのマスターが遠坂時臣だったなら───間違いなくそんな冷静な思考はできなかっただろうが、幸運なことにマスターは気弱な少女だったのだ。 「行こう、バーサーカー」 霊体化し、己の元に帰ってきたサーヴァントに告げる。 返答はない。 「待ってろよ」 ズリズリと、その足を引きながら、彼は歩く。 彼の願いの根底はとても醜く───とても利己的なものだ。 あったはずの道に背を向け。 届かないはずのものに憧れ。 他人の幸せを手に入れようと、その手を伸ばした。 どうしようもない『悪』。 蔑まれることはあれど、賞賛されることはないであろうその存在。 しかし。 「───桜」 この気持ちだけは、本物なのだ。 己の幸せのためでもある。 己の自分勝手な理想のためでもある。 様々な下心も否定はできない。 だが。 あの少女を、あの地獄から救いたいと思ったこの心だけは、その想いだけは───本物なのだ。 間桐雁夜は闇へと歩き出す。 その道は、茨の道だ。 『悪党』に相応しいのは、醜い闇に染まった泥の道。 しかし。 間桐雁夜は、止まらない───止まることなど、今更あり得ない。 彼の道は、既に一方通行なのだ。 引き返す道など、もう存在しない。 【D-4・間桐邸裏(少し離れている)/一日目・未明】 ※間桐邸正面の家屋が倒壊しました。 【間桐雁夜@Fate/zero】 [状態]肉体的消耗(小) [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を取り、間桐臓硯から間桐桜を救う。 1.見敵必殺。見つけたサーヴァントから攻撃。 2.ライダー(ルフィ)相手は不利、他のヤツに倒されるまで待つ。 3.この場から離れる。 [備考] ※ライダー(ルフィ)、鹿目まどかの姿を確認しました。 ※バーサーカー(一方通行)の能力を確認しました。 【バーサーカー(一方通行)@とある魔術の禁書目録】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:■■■■─── 1.───(狂化により自我の消失) [備考] ※バーサーカーとして現界したため、聖杯に託す願いは不明です。 【D-4・間桐邸前/一日目・未明】 ※間桐邸正面の家屋が倒壊しました。 【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]健康、腹八分目 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:叶えたい願いはあるが人を殺したくないし死にたくもない。 1.聖杯戦争への恐怖。 2.学校へ行く・・・? [備考] ※バーサーカー(一方通行)の姿を確認しました。 ※ポケットに学生証が入っています。 表に学校名、クラス裏にこの場での住所が書かれています。 ※どこに家があるかは後続の方に任せます。 ※登校するかは思案中です。 しかし今は少し登校する側に傾いています。 【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】 [状態]健康、腹二分目 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:まどかを守る。 1.バーサーカー(一方通行)に次会ったらぶっ飛ばす。 2.バーサーカーに攻撃がどうやったら通るか考える。 3.肉食いたい。 [備考] ※バーサーカー(一方通行)と交戦しました。 攻撃が跳ね返されているのは理解しましたがそれ以外のことはわかっていません。 BACK NEXT 017 Vのため闘う者/老兵は死なず 投下順 019 ONE WAY HEART 017 Vのため闘う者/老兵は死なず 時系列順 016 LIKE A HARD RAIN BACK 登場キャラ NEXT 008 鹿目まどか&ライダー 鹿目まどか&ライダー(モンキー・D・ルフィ) 024 『僕と協力して同盟相手になって欲しいんだ』 014 間桐雁夜&バーサーカー 間桐雁夜&バーサーカー(一方通行) 022 気絶するほど悩ましい
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771 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/07/27(金) 05 03 45 「な、何してるんだ?」 少しだけ声が震えているのが自分でも分かった。 互いの一言一言から何が飛びだしてしまうのは予測できていない。 探り合うように視線が交錯し、その間に思考は最大速度で疾駆し続けている。 「いや、その……洗濯物を回収しておこうと思って、だな」 自分の口から出た言葉をまるで信じられなかった。 ――私は洗濯物の臭いを嗅ぐのか、とか 「そ、そう、なのか?」 互いに笑う。 その笑いは実に乾いていた。 「と、とりあえず、だな、夕飯の時間だから、そういうのは後にして、だな」 ひとしきり笑ったためか、少しだけ頭が冷えたのか、言うべきだったことを言えた、と思う。 「……衛宮、今の言葉をどの程度信じた?」 唐突に、氷室がそんなことを聞いてくる。 「え、いや……」 正直なところ、全然信じていない。 「くくく……ちっとも信じてないだろう?」 氷室がゆっくりと立ち上がる。 それだけのことで圧倒された。 身長がこちらが10センチ程大きいはずなのだが、今は氷室の身長が2メートルにも見える。 思わず一歩後ずさる。 「……そこまでされると心外だな、衛宮はそんなに私を嫌っていたのか?」 氷室がさも心外、と言った風に腰に手を当てて軽く頬を膨らます。 「いや、そんなことはないぞ、『どちらか』と言われれば好きに分類される、間違いなく」 その答えに、氷室は満足げに微笑んだ。 正直な話をすれば。 氷室鐘はこの場で衛宮士郎を押し倒してしまおうか、なんてことを考えていた。 自分の感情が定まらぬままではあったのだが、とにかく既成事実を作ってしまおうかと考えたためである。 実際の話、男という物を異性として意識するようになって以来、そう言った事への興味もあったし、それは先の件で肉欲という具体的な代物へと変化した。 だが、共に笑っただけで頭が冷えて、続く衛宮士郎の言葉で今後の方針を新たに定めた。 その方針は、我ながら笑ってしまうものではあったのだが。 ――やれやれ、これが恋というものなら、随分なハンデを背負い込んだものだ ライバルは既に体を許しあうほどに強大だ、だがとにかく今は―― 「衛宮」 止まっていた体を一歩を踏み出す。 氷室が一歩踏み出し、此方に向かってくる。 後ずさりはしないが、なんだろうと考える。 考えすぎていたのが良くないのだろう。 頬に氷室の唇が触れたのを止められなかった。 氷室が一歩離れる。 「な――」 触れられた頬が熱い。 そして全身もそれに釣られて熱くなっている。 「覚悟しておきたまえ、これからの私は、君に対してもっと積極的に接していこうと思う」 笑顔のままに片目を閉じ、人差し指を立てて氷室が宣言した。 ――精一杯の決意の証明と共に、宣戦布告する。 それが今の精一杯。 その直後に気恥ずかしさが限界を超えた。 「それでは、また後でな」 笑顔を顔に貼り付けたまま、出来るだけ平静を装って、早足で部屋を後にした。 部屋に残され、呆然とする。 さっき氷室はなんと言ったか、何をしたか、それが何を意味するのか、総合すれば全ては明白であった。 理解すると同時に、体中が更に熱くなる。 さっきから体中が熱くなりっぱなしで、汗が出てきている。 殆ど全身が暴走状態だ。 こんな状態で、みんなの前で冷静で居られるとは思えない。 よし、こういう時は―― MEC:土蔵だ コンボラ:道場だ サカタハルミジャン:気合だ
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キャラシート【としあきの聖杯戦争TRPG】 【クラス】シールダー 【真名】アムピアラオス 【容姿】苦労人な顔をした何も描かれていない楯を持つ男 【その他】秩序・善 人属性 男性 【英雄点】35(ステ22・スキル13):令呪1画消費 【HP】70(35)/70(35) 【筋力】A:5 【耐久】A++:7(8) 【敏捷】E:1 【魔力】A+:6(7) 【幸運】E:1 【スキル1】自陣防御 5点:最大HPを20増やす。相手の攻撃時、攻撃対象を自分に変更できる。 【スキル2】予言 5点:最大HPを15増やす。魔術防御と奇襲防御時、補正値2を得る。 【スキル3】目抜きの一矢 3点:物理攻撃時、補正値5を得る。 【宝具1】『プロイティダイ門にて不死を与えず』(テューデウスマストダイ) 1/1 【ランク・種別】B:対人宝具 【効果】物理攻撃時補正値10を得る。 相手のHPが0になるダメージを与えた時、相手は戦闘続行系の効果を発動できない。 【宝具2】『ハルモニアーの首飾り』(つまにはこまったものだ) 1/1 【ランク・種別】EX:誓約宝具 【効果】この宝具の使用回数は回復できない。 性別が女性であるマスターかサーヴァントから同盟を持ちかけられた時のみ、自動的に発動する。 ただし、この時、宝具名と宝具効果は同盟を持ちかけた相手にのみ公開される。 このサーヴァントの陣営はその同盟を断ることができない。また裏切りを宣言することができなくなる。 同盟を結んでいる間、自分の手番に宝具効果を全体公開することで、HPを(耐久値D6)回復する。 【設定】 カリュドーンの猪狩り、アルゴナウタイ、テーバイ攻めなどに参加した英雄。予言の力を持つ。 カリュドーンの猪の目を射抜くほどの弓の腕前を持つが、今回はシールダーとして召喚されている。 「彼の楯には何も描かれてはいない、それは彼が虚飾を嫌い、外見の立派さよりも事実としての優れを望んでいるからだ」と描写されるほど高潔な人物であり、真面目かつ苦労人である。 宝具1はテューデウスに対して完全な死を与えた逸話から、宝具2は妻エリピューレーの判断に従うという逸話から、女性に対しての否定権がなくなっている。 遊戯聖杯戦争においてレイト・クーリュイアによって召喚され、セーバー陣営と同盟を組むも敗退する。その後、セイバーによって宝具『プロイティダイ門にて不死を与えず』(テューデウスマストダイ)がコピーされ、セイバーを勝利に導いた。 【ネタ】 逸話・属性がてんこ盛りだが、顔も性格も行動も地味なおじさん。 預言者必殺の「この結末は既に知っていました」の使い手。 またテューデウス殿が死んでおられるぞ!
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127 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/06/10(日) 04 35 49 とりあえず夕食の支度はやってしまおう。 まあ、下拵えだけだろうが、鍋物は基本さえ守れば後は融通無碍だから簡単にやっつけてしまうことも出来るし。 そして今日は素材が良いのだから、どこまで味を広げるか、と言う点が焦点になる。 普段ならば少し濃いめにするところだが、子供もいて、大人もいる、さらには腹は適度に膨れてしまっている。 と、なれば素材を生かしつつ薄味にして小皿で調整してもらった方が良いだろう。 鼻歌交じりに冷蔵庫から野菜を取りだし、洗って刻み、鍋に張った水に面取り大根を入れて茹で…… 「よし」 薄味だがしっかりとしている、これなら文句はそれほど 「よし、じゃないでしょこの馬鹿」 突如背後から頭部にチョップを食らった。 「……遠坂、どうしたんだ?」 「どうしたじゃないでしょ……さっき玄関で自分がなんて話したか覚えてる?」 思い返してみる。 ……ああ。 ホリィの話か。 「ちゃんと話すぞ?」 そんなに大した話の量にはならないし。 「じゃあなんで料理を始めちゃうのよ……この家が結構広いって言っても集めるのに何時間も掛かる訳じゃないでしょうに」 「ああ、うん、そうだな、そうだった」 「アンタって時々そうよね、真面目に突拍子もないことを始めるの……なんで?」 聞くような事でもなかったであろうちょっとした疑問を口にした。 「さあ? なんでだろうな、多分癖みたいな物だろうから意思でどうこうってものじゃないんだろうな」 「ふぅん……ま、意図的にやってるようなら殴ってでも矯正させてたでしょうね」 二人して軽く笑う。 「ともかくさっさと来てちょうだい、もう集まってるから」 その言葉を背後に受けて、コンロの火を切り、手を拭いた。 遠坂に話したように、ホリィを連れてきた経緯にそれほど深い話があるわけではない。 軽い質問と、ついでに冷たい視線に応えながら、話はサクサクと進んだ。 ちなみにホリィはなのはとフェイトに頬ずりされたりしながら縁側に座っている。 あまりベタベタされるのは好きではないのか、困ってはいるが、だからといって嫌がっているわけでは無さそうだ。 イリヤとノインは二人の熱気にあてられたのか、ちょっと距離を置いて居間の畳の上に座っている。 「……なるほど、事情は分かったが……それで良いのかね?」 ジェネラル……カールさんが倫理的にとか社会的にとか、様々後に続けられそうなところで言葉を切って質問してくる。 当然言葉には出さないが『戦い』にだって決して良いことではないだろう。 だがそれはノインを連れてきている時点で、リスクという意味では同じ事だ。 その事だって、情報を得る為のリスクと考えれば……いや、あの時はそんな理屈は考えなかったけど。 「そりゃあんまり良くはないでしょうけど、放っておく訳にもいかないでしょう、日暮れだって近いんだし」 まだ明るいが、太陽は地平線に接し、沈むまではそれほど時間は掛からないだろう。 「確かに最近はまた物騒になってきたらしいしな、日が暮れて事件に巻き込まれる、と言うこともあり得ない話ではない……のだがな」 正しさを認めつつ、それでも渋い顔の氷室。 まあ大体何を考えているかは分かるのだが。 「ま、お人好しも度が過ぎるとこうなるってー事だな」 「蒔、君の場合は犬猫に似たようなことをしていなかったかね」 飼いこそしなかったもののな、と小さく続ける。 「うっ……それは別に良いだろ、ちょーっと肉をくれてやっただけなんだから」 ふいっと目を背ける。 「あら、お優しいのですね」 ルヴィアの言葉に頬を少しだけ赤らめる。 「う、うるさいな、ほら、今はそう言うこと話してないだろ、あの子をどーすんだって事だよ」 ま、そうだな……それが問題だ。 愛宕:「それじゃあどうしたら良いと思う?」蒔寺に聞いてみることにしよう 那智:「桜はどうしたい?」桜の意見を聞くことにする 厳島:……ま、連れてきた責任があるしな